その参 三十路までに会社を休んでも合格するのです。

 さぁ、日を変えてリトライです。日程の都合上、同じゲレンデでは受講できず、仕方なく別のゲレンデに行くことになりました。どこのゲレンデでも検定くらい毎日やって欲しいですよね。仕事の合間をぬって無理やり行くことに決めたものですから、もう前日から死にそうなくらい眠く、それでも仕事を休むために無理やり仕事を終え、なおかつ貧乏下道派な私は一般道を4時間ほど運転した時点で運転しながら寝ていることに気付きました。ゲレンデの駐車場で寝るつもりだったのですが、こりゃいかんと慌てて道端にあるチェーン取り付け場所みたいな場所に緊急避難し、仮眠を取りました。トラックが通る度に大きく揺れたはずなのですが、朝まで3時間ほど全く目が覚めませんでしたね。朝日の眩しさで目を覚まし、まだクラクラしながら8時半にはゲレンデ駐車場に辿り着きました。眠くて腹が減って目眩がして疲れも取れておらず、体調はパーフェクトです。まあ私の人生ずーっとこんなものです。

 今回は一度事前講習を受講している為、試験のみとなります。別にもう一度受けてもいいのですが、貧乏な私はケチるところはケチることにします。そんなわけで申し込みをサックリと済ませ、ゼッケンを貰います。22番、ゾロ目です。いいことあるかなぁ?

 さて午前中は私の一番嫌いな自己との戦いのコソ練です。申し込みの際に検定バーンを聞いていたので、とにかくまずそのバーンへ行きました。き、急斜面です。明らかに20度超えの斜面です。コースマップにも「最大斜度25度」だなんて書いてあります。ここで検定をやるのかとちょっとビックリしました。しかも豪快なアイスバーンです。一本ガリガリ言わせながら滑ってみて、ここで検定をやるのかとかなりビックリしました。本当に大丈夫かと心配になり、まず身体を慣らす為に別のバーンに行ってカービングしてきました。しかし先に書いたように体調は絶好調、4本も滑るとへろへろになり、車に戻って朝ご飯(コンビニのパン)を食べました。そしてまた普通の斜面×2、検定バーン×2で、一服に車に戻り、再び普通の斜面×2、検定バーン×2で車に戻りというのを繰り返していました。自己との闘い、本当に苦手なんですよ。すぐ休みたくなっちゃいます。それに季節柄、日が昇るにつれどんどん暑くなるんです。どんどん暑くなると、どんどん雪がしゃびしゃびになってきて、昼頃にはもう雪質が全然別物でした。エッジが立つのですごく助かりましたけど。途中事前講習の人たちを見つけて、遠くからコッソリ覗いていましたが、みんな上手そうです。自分だけ場違いじゃないかと心配になりながら車に戻ると、もう体力の限界で一休みです・・・Zzz・・・。はっ!と目が覚めたら12時59分じゃないですか!スクール前までボードを抱えて全力疾走です。こんなことで大丈夫か自分。

2級ロングターン  ともかく何とか間に合って、いざ検定開始です。今回の受験者は私を入れて12人ほどでした。前回のゲレンデでは1級から順番に滑ったのですが、このゲレンデでは2級からです。しかも3級受験者はおらず、受付順(といっていた)のため、私がトップバッターになってしまいました。受験はロングターンからです。前走のイントラが綺麗に雪を舞い散らせて滑ります。上から見ているとカービングなのかドリフトなのか判らないくらいです。いざ自分の番、ともかく考える隙も暇もなく滑り出しです。全然覚えていませんね。がーっと行ってだーっと滑って、はいゴールって感じです。このゲレンデのスクールは、前回行ったところよりゴールゾーンを大きく取ってくれているため、かなり余裕を持ってゴールできました。

2級ショートターン  さて、間髪置かずにショートターンです。やっぱり前走が豪快に雪を撒き散らしながらターンしていきます。前回の失敗から「暴走するくらいならドリフトのほうがいいや」と思っていたので、私も豪快に踏み込んで伸び上がってと、テンポの遅いショートターンを無難にこなしました。ヘタに色々考える時間がないほうが私には良いのかもしれません。

2級フリーライディング  さてラストの総合滑走です。私にとっては鬼門です。今回は「転ばない!」がテーマです。もう転ばなければ何でもいいやくらいの勢いです。ところが、前走のイントラがボコ雪に足を取られて手をついてるじゃないですか。おいおいこんなボコボコ急斜面を攻めるなよって感じなのです。イントラがよろけるほどのコブコブです。アグレッシブに行って失敗した前回の教訓を元に、とにかく無難に無難にとショート、ロング、ショートと繋げて何事もなくゴールです。スピードもノリもぜーんぜんなく、ただ無難に済ましたといった感じでしょうか。ゴールした瞬間「コケんかったでぇ!」という達成感と「あんな消極的な滑りで平気なんか?」という焦りと「今回は受かったやろ多分」という期待が入り混じった複雑な気持ちでした。あ、私は決して関西人ではありませんのであしからず。方言は好きで使っているだけです。

 続いて1級のエアです。2級の方はここでお疲れ様、というところですが、私は暇なのでイントラの方に断って1級受験者について行きました。後々の1級受験の役に立つかもしれませんし。構造物と堅苦しく呼ばれるキッカーはかなり小さいもので、エントリーもかなりフラットバーンのためチョッカリエントリーしても3mも飛べないだろうサイズです。練習が2回あり、本番で次々とみんな飛びました。どうだったのかって?そりゃ飛びが本職の私から見たらすんごいしょぼしょぼですよみんな。オーリーどころか足の引き付けもまともに出来ている人がいないくらいです。見ているだけのこっちが「みんなそんなんで大丈夫か?」と心配になってしまいました。全ての受験者が飛び終わった後、私もいちおう経験としてそのキッカーに入ってみました。ち、小さすぎて何にも出来ません。ローストビーフとメソッドを一本ずつ飛ぶと、未だ残っていたイントラの方に声を掛けられました。「メイクがメインでしょ?」バレバレです。そりゃそうですよね。検定でメット被ってるの私だけですし。でもちょっとだけ仲良く話し込んで、その後一緒に2〜3本軽く飛びました。受かったと思い込んでいるから気持ちも楽なものです。イントラの方々もすごくイイ人たちばかりでしたよ。

 発表が16時なのでまだまだ時間がある為、上のほうにあるデカキッカーをのんびり飛びに行きました。ちょっとびびってたアンダーフィリップも1回着地がビタ着で決まり、気分がいいので早々と何本か練習して、気分がいいまま早々と切り上げました。着替えてボードもしまい込んで、合格発表を聞いたら速攻帰ろうと思っていたんです。どうせ帰りも下道5時間以上ですしね。でもやっぱりワンメイクって独りは寂しいです・・・。リフトから「おおっ!」と歓声が聞こえる度にふふん♪という得意げな心持ち(でも態度はうーん、イマイチというセコさ)はありましたけど。

 さあ16時になり、スクール前で運命の結果発表です。まずは検定員の総評から始まります。「今回は雪質が悪いせいもあって力を出し切れなかった人も多いでしょうけど、それもまた実力ですので次回頑張って下さい」みたいなことをのっけから言われ、かなりビビリます。心臓バクバクもんの脅しです。え?はよ結果を教えろ?わかりました。えー、結論から言えば・・・受かりました。ふぅ。得点はロング70点、ショート70点、総合滑走70点、平均70点・・・。可もなく不可もなく、です。余裕ぶっこいてましたが、実はギリギリです。というか、このゲレンデは非常に辛口というか加点のないところらしく、受験者全員を見渡しても70.5点が最高得点なんです。総評を伺ったのですが、このゲレンデは全員の滑りをビデオに撮影しており、それを見ながら「ここで内倒気味」だとか、「ここでテールスイング気味」だとか、「身長が高い分、アンギュレーションをしっかり入れないと棒立ちに見えやすい」とか非常に判りやすいアドバイスをもらえました。このビデオに撮ってるってところが良いですね。前回のゲレンデとは大違いです。そこで私は意地悪く、「このまま1級受験したら受かりますか?」と思い上がったことを聞いてみました。すると答えはアッサリ「受かると思いますよ。エアもレベル高そうだし」との事。1級受かる腕前でも70点なのかー!とツッコミ入れたいのはヤマヤマでしたが、「ボード歴長いでしょう?今更って感じじゃないですか?」と言われてビビりました。あー、毎日滑って他人の滑りを見ている人って、やっぱ判るんだなぁとしみじみ思ったりしました。「どうして前回落ちたんですか?」と聞かれ、『総合滑走でコケました』と言うと、「あー、もうそればっかりは仕方ないですね。ボクもテク選でコケましたし。アハハ」だそうです。誰しも失敗はあるんですよ。うんうん。とにかく今回は受かってよかったです。会社休んだ甲斐はありました。

 でもサイトで発表するのは目標である1級に合格してからにしようと思っていました。あくまで2級は1級を受ける為の過程であり、単なる自己満足の象徴ですから。ところが数日後、 Border of Boarderの管理人shiraのサイトにて こんなものを発見しました。何と殆ど時期を同じくして2級を受験しており、時期を同じくして1回落ち、時期を同じくしてリトライで合格してるじゃないですか。しかもロング72点、ショート72.5点、総合滑走73点、平均72.5点と驚異的な点数を叩き出しています。今年から滑りに目覚めたのは知っていましたが、はっきり言って今回は私の惨敗です。ほんの数日先に合格したというだけであり、ギリギリ合格の私と余裕合格のshiraとの差は歴然です。むむむ・・・。ヤツに勝つには、先に1級合格しかない!ワンメイクでもライバルですが、フリーランでもライバルです。宿敵と書いて【とも】と読むです。

つづく

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