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2005 年 06 月 04 日(土)

 つまり自分は砂漠の真中に独り佇むわけではなく、巣箱の周りを何万と飛び交う蜂の群れの中の一人に過ぎないのです。水を飲みたければ飲めるのです。日差しがきつければ日陰に入れるのです。しかし、自分だけは違うような、自分だけははみ出したような気でいても、実際は巣箱に懸命に蜜を貯めているだけなのです。貯めた蜜は自分のためのはずなのに、誰かに利用されているだけだという事にも気付けずに。

 汗水垂らして身体に焼き付けた他人を傷つける技術は、暴力と呼ばれ蔑まれるだけでした。自分が遊び呆けている間に蟻を演じた眼鏡の少年達は今、学歴と資格という踏み台に乗って周りを蔑んでいます。今の自分にあるものは広く浅く専門的な事を何も知らない中途半端な知識と、年々自由に動かなくなる身体と両手に過ぎません。辛く長い山道を下ばかり見て寄り道をしながら黙々と登って来ました。ふと気付いて周りを見渡してみると、自分はもう随分と高い所にいる事に気付き、それが当たり前のようでもあり、喜ぶべき事でもあり、しかし安堵なく蝕まれていく悪寒が拭い切れません。

 私が思うに、ひとつだけ何か貰えるとしたら、求めるものは見つかるのでしょうか。


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